英語でSorry(ソーリー)の使い方には気をつけて!

レストランでウェイターさんを呼びたいときには、「すいませーん」。混雑した電車から降りたい時も「すいませーん」。誰かに後ろから声をかける時も、「すいませーん」と、とても使い勝手がいい日本語ですよね。ですが、「すみません=I'm sorry」と覚えていると、大きな勘違いです。


めちゃくちゃな「出川イングリッシュ」でいろんなことにチャレンジするお笑い芸人の出川哲朗も、道ゆく人に声をかけるときは必ずと言っていいほど「ソーリー、ソーリー」と言っています。ですが、アメリカ人からしてみると、突然、見知らぬ人から「ごめんなさい、ごめんなさい」と謝られている状況で変な感じです。

誰かの注意を引きたい時に使う日本語の「すいませーん」は、英語だと"Excuse me"だと学校でも習ったと思うのですが、それでも「すいませーん」と言いたい時に「ソーリー」と言っている人が多いと思います。間違った「ソーリー」の使い方をする人に遭遇すると違和感を感じるので、記憶に鮮明に残っているだけなのかもしれませんが、それでも誤用している人が多いと思います。

「エクスキューズ・ミー」が日本人にとっては言いにくいので、「ソーリー」の方が思わず口をついてしまうのかもしれません。

もしとっさに「エクスキューズ・ミー」が出てこないという人は、「スキューズミ」でも通じるので使ってみましょう。アメリカ人も、とっさに早口で「すいませーん」と言いたい時、「エクスキューズ・ミー」ではなく「スキューズミ」と略して早口で言っています。アメリカ人にも、フルに「エクスキューズ・ミー」と言うのは長すぎるようです。英語に慣れない日本人には難しい発音だとしてもしょうがないかもしれないですね。

ちなみに、混雑した電車に2人以上のグループでいる時、ドア付近にいる人によけてもらう時に使うのは、「エクスキューズ・アス(Excuse us)」なので注意しましょう。自分一人だけの時は「エクスキューズ・ミー」で、「私たち降ります」と言いたい時は「エクスキューズ・アス(Excuse us)」です。この時も、「スキューズアス」と略しても通じます。

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逆に、日本にホームステイしていたアメリカ人の男性が、久しぶりに日本を訪問して、ホストファミリーのお父さんが亡くなったという話を聞いて、日本語で「ごめんなさい、、、」と言っていたのを思い出しました。このアメリカ人学生の頭の中でも、「I'm sorry = ごめんなさい」とインプットされていたようです。

I'm sorryには、「御愁傷様です。残念に思います」という意味もあるので、お父さんが亡くなったと聞いて「御愁傷様です」と言いたくて思わず「ごめんなさい」と言ってしまったのでしょう。アメリカ人が日本語を学ぶ時も、必ずしも「I'm sorry=ごめんなさい」ではないことが落とし穴になっているようです。

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こういう文脈次第で異なる意味があって、様々な状況で利用できる言葉や表現は、1対1の単語で単純に外国語に翻訳できないので、使い方を間違えることが多くなりますよね。これが、日本人にとって英語が難しく感じる理由の一つだと思います。しかし、英語と近いオランダ語やドイツ語などを話す人であれば、1対1の単語で翻訳変換できるものが多いので、英語を勉強するのが日本語と比べてとても簡単になります。オランダ人やドイツ人が英語がとても上手なのは、二つの言語が近い「親戚」だからというのが絶対的な理由です。

話を元に戻しますが、日本語の「すみません」に色々な意味があるように、英語の"I'm sorry"にも色々な意味があります。

もし、相手の言っていることが聞き取れないとき、「ソーリー?」と語尾をあげながら質問調子で言うと繰り返して言ってくれると思います。

Sorryには、ざっと思いつくだけでもこんなに沢山の意味があります:


  • 心からする謝罪の「I'm sorry」
  • 御愁傷様ですと気の毒に思う気持ちを表す「I'm sorry」
  • 同情します」を意味する「I feel sorry for someone」
  • 「聞き取れなかったのでもう一回言って」の「Sorry?」
  • 後悔することになるよ」の「You're going to be sorry
  • つまらない言い訳」の「Sorry excuse」
  • 「惨め、哀れ」の「Sorry」


などなど、Sorryには「ごめんなさい」以外にこんなに沢山の意味があります。


【こぼれ話】

オランダ人は英語が上手で、ネイティブ並みに上手に話す人も多い印象があります。ですが、オランダへ出張した時に、英語で"Thank you well"と言う人が多いことに気がつきました。アムステルダムの駅構内で立っていた時、掃除をしていた人がだんだんこちらにやってきたので、よけてあげると、英語で"Thank you well"と言われたのを思い出します。

オランダ人が英語を話す時、Thank you very muchの代わりにThank you wellと言ってしまう原因は、オランダ語で「ありがとうございます」というのが「ダンケ・ヴェル(Danke well)」なのです。

Danke(ダンケ)は、Thank youを意味します。

Wellは、Very muchなのでしょう。

Dankeは逐語訳ですぐにThank youに翻訳できても、Wellの部分は言い慣れたDanke wellのまま言ってしまうというクセが残ってしまっているのでしょうね。

オランダで、やたらとThank you wellと言われて、なんだかオランダらしい英語の間違いをカワイイと感じてしまいました。


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