「ちりつも」を英語で言うと?
例えば、毎日100円の缶コーヒーを飲む習慣がある人が、たった100円と思っても、年間で計算してみると合計3万6500円を出費していることになります。これが10年続けば、36万5000円。金利もつければそれ以上、、、。これも「ちりつも」。貯金がなかなかたまらない!と思っている人は、日々の細かい出費(チリ)を見直してみると、意外と多くのお金を節約できるというのもわかります。
さて、それでは英語では「ちりつも」をどう言うでしょうか?
「塵(チリ)」って、英語で言うと、dust(ホコリ)だから、、、なんて直訳しようと思ったら大失敗。直訳では全然通じません。
英語で「塵(チリ)も積もれば山となる」と言いたい場合は、単純に、
It adds up.
で十分です。「ちりつも」と同じくらい短いフレーズなので覚えやすいと思います。発音が日本人にはやや難しいかもしれませんが。
"add"は「追加する」「加える」という意味。"add up"で「①非常に大きい数量になる」を意味します。
(例文)just a little each time, but it all adds up (毎回の数量は少なくても、全部合わせるとものすごい数量になる)
アメリカ人も、「ちりつも」はよく使う表現です。ビジネスのシーンでも、日常生活でも使います。
例えば、新しいパソコンを買いに行った時、お店の人から、「メモリーは多い方が」とか「CPUはパワフルな方がいいですよ」とか、「保証延長の保険もつけておいた方が安心ですよ」とか、色々合わせると結局、予算を大幅オーバーになってしまうなんていうのはよく聞く話です。これがまさに、It adds up!(ちりつも!)です。
"add up"には別の意味もあり、本来は「②(数を足し合わせて)計算が合う」という意味になります。レストランでお会計するときに、注文した料理の値段を足し合わせて、合計金額と一致したときに、The bill adds up.(お会計の合計金額がちゃんと合っている)と言います。
* * *
驚いたのが、アルク社の英和辞典「英辞郎」には、この「①非常に大きい数量になる」という意味が載っていないことです。
英辞郎では、②の「計算が合う」という意味と、「合点がいく」という2つの定義がされていますが、「ちりつも」の意味が掲載されていません。
英辞郎に掲載されている"add up"の意味
(スクリーンショット:英辞郎より。)
辞書がパーフェクトではないということがよくわかる例です。英辞郎に限らず、英和辞典にはそもそも項目がなかったり、古すぎて使われない表現や、意味が変わってしまったもの、アメリカでは一般的には使われなくなった表現などが山のように掲載されています。英語のレベルが上がってきた人は、英和辞典を卒業して英英辞典(アメリカ人が使う辞書)を使った方がいいと言われる所以はここにあります。
英和辞典の個々の誤訳や意味の欠落はちょっとしことでも、それが辞書一冊分となれば「ちりつも」になります。まさにIt all adds up!
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