頭が悪い人の英語の話しかた
ツイッターのメッセージ"Who to follow"は、正しくは"Whom to follow"なのだが、同記事に紹介されている通りあまりに多くの人がWhomであるべきところWhoを使っているため、アメリカではWhoを使うのが一般化してしまっている。すでに完全な間違いとも言えない状況なのだ。口語ではアメリカ人でもWhomとは言いにくいため、Whom to followではなくWho to followと言う方がスムーズで自然な英語に聞こえる。
このように間違いが浸透することで「正しい英語」になるというパターンは他にもある。
例えばこの2つの単語。どのように発音するだろうか?
- nuclear(意味:原子力の)
- aluminium(意味:アルミニウム)
nuclearは、アメリカでも正しくは「ニュークリアー」と発音する。しかしジョージ・W・ブッシュ大統領が、当時「ニューキュラー」と発音したことでこれが他のアメリカ人にも「感染」し拡散しつつある。
筆者もこれを聞いた当時は変な間違いだなという程度にしか感じていなかったのだが、ニュース番組でレポーターが「ニューキュラー」と発音するのを聞いて愕然としたことがある。間違いが主流になりつつあるのだ。
筆者もこれを聞いた当時は変な間違いだなという程度にしか感じていなかったのだが、ニュース番組でレポーターが「ニューキュラー」と発音するのを聞いて愕然としたことがある。間違いが主流になりつつあるのだ。
そしてもう一つの単語aluminiumは、アメリカ英語では「アルーミナム( aluminum)」(「ル」にアクセントを置く)とスペルも変わり発音も変わる。イギリス人は「アリュミニウム」と発音する。このアメリカ英語の「間違ったスペル」が、今では派生形として正式に認められ辞書にも掲載されているのだ。
アメリカ式(aluminum):①ア・②ルー・③ミ・④ナム
アメリカ式(aluminum):①ア・②ルー・③ミ・④ナム
イギリス式(aluminium):①ア・②リュ・③ミ・④ニ・⑤ウム(音節が1つ多い)
イギリス人は、とにかくアメリカ人の「アルーミナム」の発音にアレルギー反応を示す。日本語でも「アルミニウム」と言うように、イギリス式のaluminiumが本来は正しいのだが、それが誰かの間違いによってアメリカでは途中の「i」が欠落して、「アルーミナム」と綴られ発音されるようになったようだ。
アメリカ人の「アルーミナム」に疑問を投げかけるイギリス人たちの動画。
頭が悪い人と思われないためには、正式なビジネス文書やメールではwhoとwhomを正しく使い分けること。またnuclearも正しく「ニュークリアー」と発音し、イギリス人の前では「アルーミナム」ではなく「アリュミニウム」と発音するのが無難だ。
これ以外に、完全に間違った英語をしばしば耳にすることがある。
MeとI
(誤)You and me go to...(君と僕は〜へ行く)(正)You and I go to...
(誤)He is taller than me.(彼は僕より背が高い)(正)He is taller than I.
このように、"I"と言うべきところで"me"と言ってしまうアメリカ人が多い。これは完全な間違い。こんな英語を話す人は大した教育を受けていないと思われてもしょうがない。
Aks(アクス)
Ask(頼む)という動詞を、aks(アクス)と発音してしまう人が多い。ax(斧)と同じ発音だ。これは南部出身のアフリカ系アメリカ人に多い。一種の方言?と言えるかもしれないが、完全な間違い。アメリカ英語でも正式とは認められておらず無学の象徴と言われることも。
しかし言語学者が研究を進めるなど、その歴史は意外と奥深い。2年前にはLA Timesの記事として取り上げられたこともある。最近ではお笑い番組SNL(サタデー・ナイト・ライブ)で司会を務める黒人芸人が"Ask"の代わりに"Aks"と堂々と発音していた。アフリカ系アメリカ人の間ではわざと白人とは違う発音やスペルを使うことで確信犯的に自分たちの文化やアイデンティティを作り上げている傾向がある。いずれAksも正式な英語に認められる日が来るかも?
言葉は生き物。常に変わっていく。間違った英語、消えゆく英語、そして新たに生まれる英語は、これからも紹介して行く予定だ。
イギリス人は、とにかくアメリカ人の「アルーミナム」の発音にアレルギー反応を示す。日本語でも「アルミニウム」と言うように、イギリス式のaluminiumが本来は正しいのだが、それが誰かの間違いによってアメリカでは途中の「i」が欠落して、「アルーミナム」と綴られ発音されるようになったようだ。
アメリカ人の「アルーミナム」に疑問を投げかけるイギリス人たちの動画。
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頭が悪い人と思われないためには、正式なビジネス文書やメールではwhoとwhomを正しく使い分けること。またnuclearも正しく「ニュークリアー」と発音し、イギリス人の前では「アルーミナム」ではなく「アリュミニウム」と発音するのが無難だ。
これ以外に、完全に間違った英語をしばしば耳にすることがある。
MeとI
(誤)You and me go to...(君と僕は〜へ行く)(正)You and I go to...
(誤)He is taller than me.(彼は僕より背が高い)(正)He is taller than I.
このように、"I"と言うべきところで"me"と言ってしまうアメリカ人が多い。これは完全な間違い。こんな英語を話す人は大した教育を受けていないと思われてもしょうがない。
Aks(アクス)
Ask(頼む)という動詞を、aks(アクス)と発音してしまう人が多い。ax(斧)と同じ発音だ。これは南部出身のアフリカ系アメリカ人に多い。一種の方言?と言えるかもしれないが、完全な間違い。アメリカ英語でも正式とは認められておらず無学の象徴と言われることも。
しかし言語学者が研究を進めるなど、その歴史は意外と奥深い。2年前にはLA Timesの記事として取り上げられたこともある。最近ではお笑い番組SNL(サタデー・ナイト・ライブ)で司会を務める黒人芸人が"Ask"の代わりに"Aks"と堂々と発音していた。アフリカ系アメリカ人の間ではわざと白人とは違う発音やスペルを使うことで確信犯的に自分たちの文化やアイデンティティを作り上げている傾向がある。いずれAksも正式な英語に認められる日が来るかも?
言葉は生き物。常に変わっていく。間違った英語、消えゆく英語、そして新たに生まれる英語は、これからも紹介して行く予定だ。
Photo courtesy: twitter.com
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