新しい言葉は身体から生まれる
Muscle(筋肉)という単語は、もともとMice(ネズミ)という単語から派生した。14世紀後半のフランス語でも筋肉はmuscleだが、それはラテン語で小さなネズミ"little mouse"を意味するmusculusから生まれた言葉だった。筋肉の形と動き、特に「力こぶ」である上腕二頭筋の形と動きが、まさにネズミが腕の中で動いているような様子から、昔の人たちはそこに「ネズミ」がいると表現したのだ。これは古代ギリシャにまで遡り、ギリシャ語でmysは「筋肉」と「ネズミ」の両方を意味している。
新しい言葉が生まれるとき、身近にある自然現象や自分たちの身体そのものからヒントを得ていることが多い。
これは英語も例外ではなく、身体の一部を使った表現は数えきれないほどだ。
つい先日、アメリカのテレビドラマを見ていた時にも面白い表現を耳にした。主人公の男性ノアがホーム・パーティーに参加しているシーンでの出来事。アメリカ東北部にあるニューイングランド地方が舞台で、しかも冬という設定のため、室内で行われていたパーティーだった。主人公のノアが義父から大切な話があると言われ、屋外に誘われる一幕。
ジェームス・ボンドを演じたショーン・コネリーは、開いたシャツからその豊かな胸毛を惜しげもなくあらわにしていた。西欧世界では、やはり胸毛は男性性の象徴だからこそこの表現が生まれたのだろう。総じて胸毛の薄い日本人の間ではピンとこない表現だ。
ここでふと疑問に思うのが、これは女性に対しても使える表現なのだろうかということだ。胸毛が生えるのは男性だけだ。女性に対して「これをすると男らしくなれるよ」とはなかなか言う機会もなさそうだが、意外とその場で笑いを誘うことになって使えるのかもしれない。
特にこの表現は、強いお酒を飲む時に使われる。アルコール度数が高いお酒を前にたじろんでいる人に対して、It will put hair on your chest!(これを飲めば強くなれるよ)と言えばそれが男性であれ女性であれ、場が和むだろう。
豊かな胸毛の生えないアジア人が、自虐的に、"It will put hair even on my Asian chest "(アジア人の僕ですら胸毛が生える)と言えば爆笑を誘うこと間違いなしだ。
新しい言葉が生まれるとき、身近にある自然現象や自分たちの身体そのものからヒントを得ていることが多い。
これは英語も例外ではなく、身体の一部を使った表現は数えきれないほどだ。
つい先日、アメリカのテレビドラマを見ていた時にも面白い表現を耳にした。主人公の男性ノアがホーム・パーティーに参加しているシーンでの出来事。アメリカ東北部にあるニューイングランド地方が舞台で、しかも冬という設定のため、室内で行われていたパーティーだった。主人公のノアが義父から大切な話があると言われ、屋外に誘われる一幕。
ノア:It's too cold outside. (外は寒いからやめよう)文字通り訳すと、全く意味のわからない受け答えだ。"to put hair on your chest (あなたの胸に毛を生やす)"の意味はこうだ:
義父:That'll put hair on your chest. (それは君の胸に毛を生やすよ)
A term explaining something that will make you a man or make you tougher.
(あなたを男らしくさせる、もしくは強くさせる事柄を説明する表現)つまり、義父は、寒い冬に少し外に出て外気に触れることで、より強く男らしくなれるよと言ったのだ。
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ジェームス・ボンドを演じたショーン・コネリーは、開いたシャツからその豊かな胸毛を惜しげもなくあらわにしていた。西欧世界では、やはり胸毛は男性性の象徴だからこそこの表現が生まれたのだろう。総じて胸毛の薄い日本人の間ではピンとこない表現だ。
ここでふと疑問に思うのが、これは女性に対しても使える表現なのだろうかということだ。胸毛が生えるのは男性だけだ。女性に対して「これをすると男らしくなれるよ」とはなかなか言う機会もなさそうだが、意外とその場で笑いを誘うことになって使えるのかもしれない。
特にこの表現は、強いお酒を飲む時に使われる。アルコール度数が高いお酒を前にたじろんでいる人に対して、It will put hair on your chest!(これを飲めば強くなれるよ)と言えばそれが男性であれ女性であれ、場が和むだろう。
豊かな胸毛の生えないアジア人が、自虐的に、"It will put hair even on my Asian chest "(アジア人の僕ですら胸毛が生える)と言えば爆笑を誘うこと間違いなしだ。
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