量が多いことを指す「ボリューミー(volumy)」は英語として通じない

7月4日はアメリカの独立記念日。公園やビーチで大人数でバーベキューをして、夜は花火というのが定番の過ごし方。丸々半身はあろうかというスペアリブや大量のホットドッグが並び、それにゆでたトウモロコシ、コールスロー、火であぶって半分溶けたマシュマロとチョコレートをグラムクラッカーではさんだスモア(smore)などが定番。

こういうパーティーに呼ばれると、とにかく大量の肉料理が出てくる。それがアメリカ流のおもてなしなのだけど、大食いチャンピオンでもない人にとってはとても食べられる量じゃない。

そういう量が多いことを、日本人はよく"volumy(ボリューミー)"と言っているのを聞くけれど英語では通じない完全に間違った和製英語なのでご注意を。

イギリスに留学経験があるという某タレントもテレビで食べ物の量が多い時に「ボリューミーね」と言っていた。英語では使わないとわかっていてわざと和製英語を日本人に合わせて使っているのだろうか?

普通に量が多い(多すぎる)ことを英語で言いたい場合は、"a lot"や"a huge amount"と言えば通じる。"too big"や"too much"と言えば、「多すぎて食べきれない」の意味になる。

ボリューミー(volumy)は、日本人がvolume(量・ボリューム)と形容詞の語尾 -yをくっつけてvolumyという和製英語を作ったのだと思うけど、volumeから発生した正しい形容詞はvoluminous(ボリューミナス)。しかもこれは料理の量ではなく、①洋服の生地やドレープの量が多い様、②文章が長文な様子を言い表す言葉なので、大量の料理を見て"That's voluminous"とは使えない。

これを読んだみなさんは、これからは恥ずかしくて「ボリューミー」なんて使えないよね?!








コメント

  1. テレビ番組の出演者がよく使っていて違和感を感じたので検索しました。この記事はベストアンサーです❗100%納得です。ともあれ、こんな和製英語がまかり通ると日本人の語学力が一層下がりそうで心配になりますね 😅

    返信削除
    返信
    1. コメントありがとうございます!

      日本語と英語はかなりかけ離れた言語なので、日本語を母語とする人にとっては成人してから獲得するのが難しい言語ですよね。ドイツ語やオランダ語、ロマンス諸語ですら、少しかじるだけでもこれほど英語と近いのかと驚かされます。

      一方、最近では、英語の単語ですら「日本語化」する日本語の力を個人的には見直しているところです。これはこれで日本語の柔軟性のなせる技で、異文化をも取り込んで自分のものにしてしまう強さなのかなと見直しています。

      日本語の独自性に誇りを持つ一方で、それは外国語の習得には「壁」となるというのはもどかしい限りです。

      削除

コメントを投稿

このブログの人気の投稿

英語で「蜂(ハチ)」はどう呼ぶべきか?:bee、bumblebee、wasp, hornet, yellow jacketの細かな違い

日本の奨学金とアメリカの奨学金の違いは?