英語でライチョウを何と言う?:アメリカの田舎町では面倒くさくて「チキン」にしてしまった話
今週の「世界ふしぎ発見」は、北極に近いツバールバルがテーマ。そこに生息するライチョウが画面に映し出されていました。ライチョウは、英語で言うとptarmigan(ターミガン)。
英単語にはめずらしく、頭文字のPは発音しません。頭文字のPを発音しない英単語で代表的なのは、「心理学」の"psychology"(サイコロジー)や、「心理」を意味する"psyche"(サイキー)。
ライチョウは日本アルプスにも生息していて天然記念物にもなっています。
これが世界のライチョウの生息地域。
この生息地図を見てみると、アメリカ本土48州にはほとんど生息していないようです。住んでいるのは、カナダの北のほうと、アメリカだとアラスカみたいです。
アラスカは、willow ptarmigan(カラフトライチョウ)を「州の鳥」に制定しているので、ライチョウはアラスカを代表する鳥の一種と言えます。
アラスカのとある町では、1902年に町が設立されたとき、町の名前を「ライチョウ町」にしようという提案があったそうです。ですが、ライチョウは英語で言うとptarmigan(ターミガン)。最初のPの発音をしないというトリッキーなつづり方。
ここからは想像なのですが、1902年という西部開拓時代に、文字もうまく書けないような開拓者たちがアラスカに渡っていて、ptarmigan(ターミガン)を正しくつづることができる人が少なかったのではないでしょうか。
「ターミガン」という発音自体は特に難しい訳ではないので、開拓民の間でも「ターミガン」というのは問題なく会話の中では使われていたのでしょう。また、アラスカでは、それだけ開拓民の話題にのぼるほど、ライチョウがそこら中に生息していて日常生活でよく見かける鳥ということが想像できます。
そしてこのアラスカの新聞社Anchorage Daily Newsの2年前の記事では、アラスカ育ちのクリスティーン・カニンガムさんが、一度は「ターミガン町」に決定しそうになったアラスカの町の逸話を語っています。
1902年、住人たちは町の名前をptarmigan(ターミガン)にしようと候補にあげたそうですが、誰も「ターミガン」をどうつづるか合意することができなかったそう(おそらく、頭文字にPがあるかないかで村民の意見が合わなかったのでしょう)。そのため、「ライチョウ」のことを「チキン」と呼ぶようにしよう!という折衷案(?)が決まり、この町はChichenに正式に決まりました。
これがChicken町の場所:
クリスティーン・カニンガムさん住んでいた場所でも、ライチョウが道を横切っていると、住民は「stupid chicken(バカなニワトリ)」と呼んでいたそうです。また、アラスカには3種類のライチョウが生息しているそうなのですが、カニンガムさんは、アラスカの住人がその3種類のいずれのライチョウも"snow chicken"(雪ニワトリ)と呼んでいるのを聞いたことがあるそうで、アラスカでは広くライチョウのことを「チキン」と呼んでいる様子。
そして、アラスカでライチョウのことを「チキン」と呼ぶようになったのは、この1902年の町の名前を決めるときに、結局、ライチョウのスペリングがわからず「チキン」にしようと決めたことがきっかけになったのではないだろうかとカニンガムさんは語っています。
これを読んで、ライチョウのことをChickenと(本土の)アメリカ人の前で呼ぶと、バカにされるかもしれないのでご注意ください。これはあくまでアラスカの住人たちが互いの間で使っている「方言」でしかなく、しかもターミガンのスペルが難しいからチキンと呼び始めたといういわく付きの方言なのです。
可能性は低いとは思いますが、もし英会話の先生がアラスカ出身で、ライチョウのことは「snow chicken」と言いますと教えられたら、それはあくまで方言で、正式にはptarmigan(ターミガン)だということを覚えておいてください。
英語には、地方によって間違った言い方が定着してしまっているケースがあります。そのため、間違った言い方や発音をする地域出身の先生について英語を習うと、その間違った英語を覚えてしまう可能性があるのです。
Photo courtesy of WikiPedia
英単語にはめずらしく、頭文字のPは発音しません。頭文字のPを発音しない英単語で代表的なのは、「心理学」の"psychology"(サイコロジー)や、「心理」を意味する"psyche"(サイキー)。
ライチョウは日本アルプスにも生息していて天然記念物にもなっています。
これが世界のライチョウの生息地域。
(WikiPediaより)
この生息地図を見てみると、アメリカ本土48州にはほとんど生息していないようです。住んでいるのは、カナダの北のほうと、アメリカだとアラスカみたいです。
アラスカは、willow ptarmigan(カラフトライチョウ)を「州の鳥」に制定しているので、ライチョウはアラスカを代表する鳥の一種と言えます。
アラスカのとある町では、1902年に町が設立されたとき、町の名前を「ライチョウ町」にしようという提案があったそうです。ですが、ライチョウは英語で言うとptarmigan(ターミガン)。最初のPの発音をしないというトリッキーなつづり方。
ここからは想像なのですが、1902年という西部開拓時代に、文字もうまく書けないような開拓者たちがアラスカに渡っていて、ptarmigan(ターミガン)を正しくつづることができる人が少なかったのではないでしょうか。
「ターミガン」という発音自体は特に難しい訳ではないので、開拓民の間でも「ターミガン」というのは問題なく会話の中では使われていたのでしょう。また、アラスカでは、それだけ開拓民の話題にのぼるほど、ライチョウがそこら中に生息していて日常生活でよく見かける鳥ということが想像できます。
そしてこのアラスカの新聞社Anchorage Daily Newsの2年前の記事では、アラスカ育ちのクリスティーン・カニンガムさんが、一度は「ターミガン町」に決定しそうになったアラスカの町の逸話を語っています。
1902年、住人たちは町の名前をptarmigan(ターミガン)にしようと候補にあげたそうですが、誰も「ターミガン」をどうつづるか合意することができなかったそう(おそらく、頭文字にPがあるかないかで村民の意見が合わなかったのでしょう)。そのため、「ライチョウ」のことを「チキン」と呼ぶようにしよう!という折衷案(?)が決まり、この町はChichenに正式に決まりました。
これがChicken町の場所:
クリスティーン・カニンガムさん住んでいた場所でも、ライチョウが道を横切っていると、住民は「stupid chicken(バカなニワトリ)」と呼んでいたそうです。また、アラスカには3種類のライチョウが生息しているそうなのですが、カニンガムさんは、アラスカの住人がその3種類のいずれのライチョウも"snow chicken"(雪ニワトリ)と呼んでいるのを聞いたことがあるそうで、アラスカでは広くライチョウのことを「チキン」と呼んでいる様子。
そして、アラスカでライチョウのことを「チキン」と呼ぶようになったのは、この1902年の町の名前を決めるときに、結局、ライチョウのスペリングがわからず「チキン」にしようと決めたことがきっかけになったのではないだろうかとカニンガムさんは語っています。
これを読んで、ライチョウのことをChickenと(本土の)アメリカ人の前で呼ぶと、バカにされるかもしれないのでご注意ください。これはあくまでアラスカの住人たちが互いの間で使っている「方言」でしかなく、しかもターミガンのスペルが難しいからチキンと呼び始めたといういわく付きの方言なのです。
可能性は低いとは思いますが、もし英会話の先生がアラスカ出身で、ライチョウのことは「snow chicken」と言いますと教えられたら、それはあくまで方言で、正式にはptarmigan(ターミガン)だということを覚えておいてください。
英語には、地方によって間違った言い方が定着してしまっているケースがあります。そのため、間違った言い方や発音をする地域出身の先生について英語を習うと、その間違った英語を覚えてしまう可能性があるのです。
Photo courtesy of WikiPedia
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