英語で「レモン(lemon)」にはレモン以外の意外な意味がある!

アメリカに引っ越して間も無くの頃、テレビニュースを見ていた時、「レモン(lemon)」の意外な意味を初めて聞きました。TOEFLの試験勉強をしていた時も、日本の大学受験で英語を勉強していた時も見かけたことがない「レモン(lemon)」の意外な意味とは、、、。

それは「欠陥車両」。どこかの自動車会社が、欠陥車両が見つかったので大規模リコールを行うという内容のニュースだったと思います。その「欠陥車両」を、リポーターが「レモン(lemon)」と呼んでいたので、とても面白いと思った記憶が残っています。

なぜ欠陥車両のことをレモンというのは不明なのですが、もともとアメリカで使われるようになった単語のようです。今ではイギリス英語でも使うようですが、アメリカ英語で意味する「欠陥車両(自動車限定)」よりもゆるい意味で広範囲に使われているようで、「欠陥品」を意味するそう。

WikiPediaによると次のように説明されています:

アメリカ英語では、lemonは、安全性、価値、利便性においていくつかの製造上の欠陥があることが購入後にわかった車両(新車であることが多い)を意味する。このような深刻な問題のあるいかなる車両も、lemonと呼ばれることがある。拡大解釈して、目的を果たせないほど深刻な欠陥があるいかなる製品もそう呼ぶことが可能。

それ以来、アメリカの日常生活で「欠陥車両」を意味する「lemon」が使われるシーンに何度か遭遇したことがあります。車を購入するために色々と車種を調べていた時も、「lemon」という単語がとても役に立ちました。もちろん、「lemon」のレッテルが貼られている車種は避けるようにしました。

また、大学院の経済学の授業でも「lemon」が出てきたのを覚えています。1970年に経済学者のGeorge Akerlofが発表した論文"The Market for Lemons: Quality Uncertainty and the Market Mechanism"で「lemon」が出てきます。「情報の非対称性」を説明するために、目に見えない欠陥車両が、自動車市場を苦しめることを論じました。

これは、自動車市場に欠陥車両(lemon)が紛れ込んでいると、車を購入しようとする消費者は、欠陥車両をつかまされたくないと当然思います。しかし消費者はどれが欠陥車両かわからないため疑心暗鬼に陥り、車を購入するのに高い正規のお金を払いたくないとなります。そのため結局、車全体の値段が下がっていくというような内容です。

これと似た現象として、「悪化は良貨を駆逐する(Bad money drives out good)」ということわざがあります。良い車が売られている市場でも、その中に欠陥車両が少しでもあることが知れ渡れば、車市場全体の信用性が失われ、問題のない車の値段も下がってしまうことを論じた有名な論文です。

日本の学校では習わなかった「lemon」の第2の意味でも、アメリカの学校では論文になって教えられているというお話でした。

皆さんも、車を購入するときは「レモン」をつかまされないようにご注意を!


Photo courtesy of ConsumerReports.org

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