ドイツ語が語源の英単語「ヴンダバー(wunderbar)」:バナナマンの耳には「ウンババー」と聞こえたようですが・・・
テレビ東京の「Youは何しに日本へ?」の番組で、武田信玄や甲冑を手作りすることを趣味にしているドイツ人観光客3人に密着していました。その撮影の最後に「締めのコメント」として、3人が一斉に「信玄公祭り、ヴンダバー!」と言ってカメラにポーズを決めたところ、通訳の人もこの言葉が聞き取れなかったようで、「○!*□◇#△!」という意味不明の字幕が表示されました。(写真:「Youは何しに日本へ?」より。)
VTRを見ていた司会者のバナナマンは、「ウンババ〜って言ってる」と笑っていますが、彼らは、「ヴンダバー(wunderbar)!」と言っています。
ここにその動画がアップされていました。動画の一番最後のシーンです。
ドイツ語が語源で、英語に訳すと「ワンダフル(wonderful)」の意味なのですが、アメリカ人もたまに「ヴンダバー(wunderbar)!」と言います。
英語の辞書にも掲載されているので、ドイツ語が語源ですが、すでに英語にもなっている単語です。
ヴンダバー(Wunderbar)はドイツ語の単語で“wonderful”を指す。「ドイツ(人)らしさ」をほのめかすためや、ただ単にワンダフルの代わりに英語でも使われる。(筆者訳 )
(原文)Wunderbar is a German word for "wonderful." It may be used in English to hint at German-ness or simply as a substitute for wonderful.
さらに同辞書では次のように説明しています:
ヴンダバー(Wunderbar)は、ドイツ語の単語で“wonderful(素晴らしい)”や“marvelous(奇跡的な、素晴らしい)”を意味する。ドイツ語のwunderは英語のwonderと関係しているが、-barは添字で、だいたい-ableに似ている。
ヴンダバー(Wunderbar)は、たまに英語でも使われ、ドイツ人としての個性を示すために機能する。例えば、イギリス人作家ベアトリス・ハラデン(Beatrice Harraden)の1903年の小説、「キャサリン・フレンシャム(Katharine Frensham)」で、ドイツ人である登場人物のMr.エデルハートの会話は英語であるが、Wunderbarやfraulein(若い女性)といったいくつかのドイツ語の単語が散りばめられている。のちに映画化もされた、コール・ポーターの1948年のブロードウェイ・ミュージカル「キス・ミー、ケイト(Kiss Me, Kate)」では、「ヴンダバー(Wunderbar)」という題名がつけられたウィーン・ワルツのパロディーが含まれている。このミュージカルもまた、(歌詞は)英語だが、いくつかのドイツ語の単語が散りばめられている。クエンティン・タランティーノは、彼の2009年の映画「イングロリアス・バスタード」の中で、英語を話す人たちがヴンダバー(Wunderbar)という単語に聞き慣れていることを認めており、ドイツ語によるセリフに英語の字幕を付ける際に、ヴンダバー(Wunderbar)には英語の字幕をつけていない。
ヴンダバー(Wunderbar)は、言葉遊びとして使われる場合もある。1934年の映画「Wonder Bar」では、同名のバー(飲み屋)が舞台となっている(訳者注:ドイツ語の"wunderbar"が、英語では"wonder bar"と聞こえるという言葉遊び)。その他にも、ボストンやマサチューセッツにもWonder Barと呼ばれるバーがあるし、カリフォルニア州デービスにはThe G-Street WunderBar(GストリートのWunderBar)と呼ばれるバーもある。商品名にも同様の言葉遊びが使われている・・・(中略)。
もちろん、ヴンダバー(Wunderbar)は、単に冗談だったり、物知りであることを自慢したり、クリエイティブであることや、"wonderful"を強調して言い換えたい場合によく使われる。俳優のジム・キャリーは、1994年の映画「エース・ベンチュラ」の中で、コメディー効果を得るためにこの単語を大声で叫んでいる。(筆者訳 )
(原文)Wunderbar is a German word meaning “wonderful” or “marvelous.” The German wunder is related to English’s wonder but -bar is a suffix roughly akin to -able.
Wunderbar is sometimes used in English works to mark a character as German or call Germany to mind. In British author Beatrice Harraden’s 1903 novel Katharine Frensham, for example, the German character Herr Edelhart’s dialogue is in English but peppered with a handful of recognizable German words like wunderbar and fraulein (“young lady”). Cole Porter’s 1948 Broadway musical Kiss Me, Kate, later adapted into a film, includes a parody of a Viennese waltz titled “Wunderbar,” which is also in English with a handful of German words. Quentin Tarantino acknowledged the familiarity of English-speakers with wunderbar in 2009’s Inglourious Basterds, including a subtitle for lines in German that leaves wunderbar untranslated.
Wunderbar is also sometimes used as a play on words. A 1934 movie Wonder Bar takes place at a bar of the same name. Among others, there is a bar called Wonder Bar in Boston, Massachusetts and one called The G-Street WunderBar in Davis, California. Similar plays on words have been used as product names. A chin-up bar was marketed as a Wunderbar in 1970. Seven years later, Cadbury filed for a trademark for the Wunderbar chocolate bar. In the 1980s, cheesecake on a stick was sold as the Wunderbar.
Of course, wunderbar is often simply used as a playful, knowing, creative, or intensive substitute for “wonderful.” Jim Carey exclaims the word in 1994’s Ace Ventura for comedic affect.
以前にもどこかの投稿で書きましたが、英語には、フランス語、ドイツ語、イタリア語、スペイン語、アラビア語、日本語などなど、多くの外国語(主に西ヨーロッパ言語)が浸透していることをお伝えしていました。基本的なフランス語、スペイン語、イタリア語、ドイツ語(そして余裕がある人はギリシャ語も!)あたりの単語をざっと頭に入れておくと、英語の語彙力が一気に高まります。
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