【#英語の比喩表現】「ブタに口紅を塗る」はどういう意味?

英語に、「ブタに口紅を塗る(put lipstick on a pig)」という表現があります。日本語で考えても、だいたい何を意味するか想像できるのではないでしょうか。

最近はミニブタもペットとして人気があるそうなので、「ブタに口紅を塗る」の意味が変わってくる可能性がありますが、英語でも「ブタ(pig)」というのは「醜いもの」「強欲な人」といった蔑称として使われます。

日本語でも、「このブタ!」と言われていい気分になる人はいないと思います。英語でも相手を罵る時に使われる言葉なので、今の所、「ブタ(pig)」にはいい意味がありません。

そんな「ブタに口紅を塗る(put lipstick on a pig)」ということは、つまり「うわべだけ綺麗に飾る」という意味になります。

どうにも取り繕うことができないダメな人や物について、うわべだけ飾ってはみるけれど、結局成功しないことを指します。

政治やビジネスなど、意外と公的な文書や声明の中で使われることが多いポピュラーな表現です。企業のプレゼンンテーションの資料の中でも見かけたことがありますし、新聞記事や政治家のスピーチでも登場します。



Putting lipstick on a pig is insisting that the health care bill be written behind closed doors, using obfuscating language, making deals to buy votes

(訳)国民健康保険に関する法案を、曖昧な表現を使い、議員の賛成を得るための取引をして密室で作成するべきというのは、「ブタに口紅を塗る」だけ。→つまり、どんなに取り繕っても、この法案は失敗作ということ。



"John McCain's putting lipstick on a pig when he calls the same failed Bush policies of the last eight years Change"

(訳)ジョン・マケイン議員が、過去8年間のブッシュ政権の同じ失策を「変化」と呼ぶのは、「ブタに口紅を塗っている」のと同じだ。


日常生活で、オンボロの車を少し綺麗にして高く売ろうとしても、You're just putting lipstick on a pig(ブタに口紅を塗っているだけ)と言えます。

日本語の表現「馬子にも衣装」は、「どんな人間でも身なりを整えれば立派に見えることのたとえ」ですが、「ブタに口紅を塗る」は、どんなに身なりを整えてもダメなものはダメという意味で、聞く人によっては「身も蓋もない」表現ですね。



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