画家のフェルメールは英語で「ヴァーミアー」と発音します
Girl with a Pearl Earring at
Mauritshuis, The Hague, Netherlands
日本で人気のヨーロッパ画家の一人は、フェルメールでしょう。昨年の10月から今年2月まで、上野の森美術館で、フェルメール展が開かれ、その後、2月から5月まで大阪市立美術館でもフェルメール展が開催されていました。
上野の森美術館で開かれたフェルメール展は、入場者数が68万3485人と、「2019年の上半期展覧会入場者数でトップ」となったそうです。
フェルメールはオランダの画家ですが、彼の名前は英語では「フェルメール」とは言いません。「ヴァーミアー」と発音します。
オランダ人フェルメールの名前の綴りは、Vermeerと書きます。
これを英語のルールで発音すると、「ヴァーミアー」になるのです。
オランダ語では、「V」を英語の「F」の発音をするので、「フェ」になります。日本語の方が、本来のオランダ語の発音に近い呼び方をしていることになります。
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英語以外の外国語の固有名詞を発音するのに、日本語の方が英語よりも、本来の発音に近い呼び方をするということが多くあります。英語という言語は頑固なところがあって、外国語の発音を英語独自の発音に変換してしまうことが一般的です。
例えば、スペインの小説の「ドン・キホーテ」は有名ですが、イギリス人はこれを綴り通りに「ドン・クイックソット(Don Quixote)」と発音します。ただしアメリカ人は、原書であるスペイン語と同じ「ドン・キホーテ」と発音します。
都市名も同じです。ロシアの首都モスクワ(Moscow)ですが、アメリカ英語では「モスカウ」と発音します。これを聞くたびに「雌牛(cow)」を連想してしまいます。
スイスの金融都市チューリッヒ(Zurich)も、英語では「ズーリック」。
国際機関があるスイスのジュネーブ(Geneva)は、英語では「ジェニーヴァ」。
イタリアの風光明媚な都市ジェノヴァ/ジェノバ(Genova)は、英語では「ジェノア(Genoa)」。
これまたイタリアの水の都ベネチア(Venezia)は、英語では「ベニス(Venice)」。
一方、中国や台湾の都市名は、漢字で表記されているので、日本人は中国語の発音を無視して日本語読みすることが多いですよね。逆に、英語で中国や台湾の固有名詞を発音する場合、中国語の発音にしたがって発音しています。
そのため、英語で中国人の名前や都市名を発音するときは、中国語にのような発音で言わないといけないので、日本式の読み方に慣れた脳だとたまに混乱します。
例えば、北京(ペキン)は、英語では「ベイジン」というのは有名ですね。
台湾の南部の都市、高雄(タカオ)は、英語では「カオシュン」と発音します。
台北市内にある空港の松山空港も、英語では「ションシャン」と発音します。
四川料理で有名な「四川(シセン)」は、英語では「シチュワン」。
中国内陸部の都市、「成都(セイト)」は、英語では「チェンドゥ」。
こう考えてみると、英語が歴史的に深く関わっているヨーロッパの固有名詞は、英語独自の呼び方があり、言語的につながりが薄い中国語のような固有名詞は現地語の発音のまま取り入れられる傾向にあると言うことができるかもしれません。
それと全く同じことが日本語にも言えて、日本語と同じ漢字圏の地名や人名は、日本語読みをする一方、言語的につながりが薄いヨーロッパの地名は、現地語の発音のまま取り入れている傾向があると言えると思います。
大陸ヨーロッパの地名や固有名詞を英語で発音するとき、また中国など漢字文化圏の固有名詞を英語で発音する場合、日本語とは違う場合が多いので注意が必要ですね。
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