「不意を突かれる」を意味する”Caught off guard”

「できる」日本人の上司と、とある電話会議に参加した時の出来事。この上司は帰国子女で、小中校を英語圏の学校で過ごした人。英語がネイティブではないけれど、かなり英語でディベートもできる。そんな「できる」上司と、アメリカの協力会社との電話ミーティングに参加したときのこと。

よくありがちな話なのだが、アメリカの会社が、日本人が期待するような努力をしてくれない。そのため、電話会議を行い意思のすり合わせをしつつ、そのアメリカの協力会社にパフォーマンスをあげてもらうのが目的だった。よく言えば「お願い」なのだが、その中身は「プレッシャーを与える」こと。

アメリカの会社側にも言い分があり、日本人の上司とアメリカの会社との間で丁々発止の議論が行われた。その際、アメリカの会社側の人間が、"We got caught off guard"と言う場面があった。

"get (be) caught off guard"は、「不意を突かれる」という意味。

"caught"は"catch(捕まえる)"の過去分詞形なので、"get (be) caught"で「捕まる」の意味。そして"off guard"は「ガードなしで」や「警戒を怠って」という意味。つまり、文字通りの意味は「ガードなしで捕まる」であり、それが転じて「不意を突かれる」ということになる。

特に難しい表現ではなく、日常的に誰でも使う表現なのだが、このできる上司は知らない表現だったようで、その部分をスルーして電話会議を進めようとする。そのため、アメリカの会社側との議論がかみ合わず、ボタンのかけ違いのような状況になってしまった。

自分はオブザーバーのような立場で電話会議を聞いているだけの立場だったのと、議論のやりとりが早いスピードで展開していたので、上司に"caught off guard"の意味を説明する暇もなかった。

キーワードやキーフレーズ一つで、意味が全くわからなくなってしまうという典型例だった(その場にいた者は困ったが)。英語のリスニングの試験だと、一つの単語やフレーズがわからないせいで、言っている内容がわからなかったり、完全に誤解したままその後の文章を解釈してしまうというパターン。

まさに英語ができると思っていた上司が、caught off guardされた瞬間だった。


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