空手キッドのイメージがつきまとう英語の表現: under my belt


メールで届いたニュースレターを開いたら、どこかで見たことのある俳優のインタビュー動画が紹介されていた。メールのメッセージに、The Karate Kid(空手キッド)とかMr. Miyagi(ミスター・ミヤギ)とあり、あの映画から35年とある。このRalph Macchioという俳優は、あの空手キッドで主演を務めた俳優だ。

確かに当時の面影が残っている。あのひ弱でいじめられっ子の役を演じた少年が、こんな大人になったのかと驚いた。子役の成長した姿というのは往往にしてガッカリ感がつきまとうものだが、彼の場合はうまく歳を重ねているように見える。

今年が「空手キッド」の映画からちょうど35周年ということや、「空手キッド」のリメーク作品がYouTubeオリジナル・シリーズとして配信されているため、番宣を兼ねてこのインタビューは行われたようだ。

「空手キッド」のリメークドラマは「Cobra Kai」というタイトルらしく、今YouTubeで第2シーズンが配信されている。

これは「Cobra Kai」第2シーズンの予告動画。35年前、空手を通して強く成長する少年役を演じた彼が、リメークドラマではMr. Miyagiのような空手の師匠役として登場している。


おそらく視聴制限がかかっていてアメリカ国内からだけしか見られないだろうが、第1シーズンの1話と2話、そして第2シーズンの第1話は、この記事執筆の時点で無料で視聴できる。



「空手キッドは」全米で大ヒットした映画だが、このおかげでアメリカ国内で空手ブームや忍者ブームが起きた。今のアニメやラーメン・ブームが起きるずっと前に起きた、最初の「日本ブーム」だったと言えるのではないだろうか。

当時、この空手キッドよりも年下だった筆者も、日本で日本語吹き替え版を見た記憶が鮮明に残っている。

その後、英語を生業にする仕事をするようになったが、空手キッドをいつも連想してしまう英語の表現がある。

それは

Under my belt

という表現だ。文字通り訳すと、「ベルトの下」ということになるが、その意味は「経験を積む」という慣用表現になる。

例えば、I have four languages under my beltと言えば、「私は4ヶ国語を習得している」という意味になるし、He has three grand slam titles under his beltと言えば、「彼は(テニスの)グランドスラムで3回の優勝を達成している」という意味になる。

達成したことや経験で得られた技能を備えていることを意味する便利な表現だ。単に、I can speak 4 languages(私は4ヶ国語が話せます)というと自慢話のように聞こえ鼻につくが、I have four languages under my beltと言うと直截的ではないぶん、丸みを帯びた表現になる。この表現を聞いて気分を悪くする人はまずいないだろう。

さらに、Under my belt(ベルトの下に持つ)という表現そのものが、とても視覚を刺激する。まさに空手キッドがミスター・ミヤギから学んだ空手の極意と訓練の成果を、黒帯(ブラック・ベルト)の下に隠し持って試合に臨むイメージだ。

そのため、〜under my beltという表現を聞くたびに、映画「空手キッド」の少年と彼の黒帯をイメージしてしまう。





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