最近アメリカの新聞やテレビを賑わせている単語"Exonerate"


ここ数日、アメリカのメディアでよく耳にする単語は、exonerateだ。意味は、「人を非難や罪、責任などから免れさせる、解放する」、つまり「容疑を晴らす」という意味になる。exonerateは動詞で、名詞はexoneration。

この記事の内容を動画で視聴したい方はこちら。



トランプ大統領に関する「ロシア疑惑」に関して、モラー特別捜査官が22ヶ月間の捜査を終えて、先週日曜に最終報告書を発表した。その報告書の結論を、次の一文でまとめている。

"While this report does not conclude that the President committed a crime, it also does not exonerate him."

これを訳すと、「この報告書は、大統領が罪を犯したとは結論づけていないが、大統領の容疑を晴らしたわけではない」となる。

アメリカの大統領の進退に関わる事件だったため、この捜査報告書のニュースは世界を駆け巡った。

おびただしい数の記事がこの報告書の結果を報道しているが、その記事のタイトルにはことごとく"Exonerate"が踊っている。

Mueller Didn't Exonerate Trump of Obstruction of Justice - by Truthout
モラー氏は大統領の司法妨害の罪については免責しなかった

Giuliani calls Mueller note on not exonerating Trump "a cheap shot" - by Axios
ジュリアーニ氏は、大統領の容疑を晴らさないというモラー氏のコメントについて「卑劣な言動」と発言

Fact Check: Mueller probe doesn't totally exonerate Trump - by INQUIRER.net
ファクト・チェック:モラー氏の捜査はトランプ氏の疑惑を完全には晴らさない

Trump Email Seeks Donations In Wake Of 'Exoneration" - by MediaPost Communications
「容疑が晴れた」ことを受けて、トランプ氏はeメールで寄付を募る


だが日本の「受験英語」では、この単語を見かけることはほとんどない。

日本の学校で教える英語には、法律用語がほとんど含まれていなかったように記憶している。しかし、訴訟社会のアメリカでは毎日のように耳にするし、日常会話の中で比喩として法律用語を使うことも多い。

例えば、映画のワンシーンの中で、妻が夫を些細なことで攻め立てると、夫は妻に対し、皮肉を込めて"You're prosecuting me"と言うかもしれない。これは直訳すと、「君は僕を起訴している」となるが、文字通り司法に訴えて「起訴」しているわけではなく、それほど厳しく責め立てている、という意味になる。

英語をいくら勉強しても、ハリウッド映画を字幕なしでなかなか理解できないという人は、専門用語や法律用語に引っかかってストーリーを追えないのかもしれない。特にワシントンDCを舞台にしたような政治サスペンスものの映画や、「24」のような警察ものの映画を見るときは、基本的な法律用語は押さえてから見たい。また逆に、こうしたジャンルの映画を意識して見ていれば、法律用語に強くなれるかもしれない。




コメント

このブログの人気の投稿

日本の奨学金とアメリカの奨学金の違いは?

前後に単語を逆転するだけで意味が変わる英語の表現:OversleepとSleepover