和製英語クイズ ー 和製英語を研究しているアメリカ人アン・クレシーニさんがテレビに出演


北九州在住で和製英語を研究されているアメリカ人教師のアン・クレシーニさんがテレビに出演され、「和製英語クイズ」を出題されていた。彼女の書籍「ペットボトルは英語じゃないって知っとうと!?」がテレビ画面で紹介され、その表紙によるとクレシーニさんは北九州市立大学の准教授だそう。彼女のブログ「アンちゃんから見るニッポン」はこちら。(画像:amazon.co.jp)

このときの番組の動画がいくつかネットにアップされている。







第3弾とあることから、これまでにも2回この番組に出演されて「和製英語クイズ」を出題されているということなのだろうか。

今回の第3弾の「和製英語クイズ」では、次の2問が出題されていた。

本物の英語はどれでしょう?

Q1.

①リップクリーム
②オープンカー
③ビアガーデン
④キーホルダー

Q2.

①キャリアウーマン
②ウィンカー
③ペーパードライバー
④ツインテール

Q1の答えは③、Q2の答えは①。改めて、日本語には多くの英単語が取り入れられているなと思いつつ、英語としては通用しないものが多いことに気付かされた。以前、ここでも日本人が使う「ボリューミー」が英語としては通用しないことを紹介したことを思い出した。

日本人は英単語を日本語の中で多様しているぶん、英語を話すときは思わず和製英語を使ってしまわないよう気をつける必要がある。

ここでふと思い出した。この番組では紹介されなかったが、例えば髪を剃ったりハゲたりして頭がツルツルのことを「スキンヘッド(skin head)」と言うのも和製英語であるということ。英語では"shaved head(剃った頭)"と言うのでご注意を。他にも英語として通用しない和製英語はたくさんあるけど、また思い出した時に紹介したい。

* * *

一方、この番組内で、クレシーニ先生の説明が間違っているところがあるのに気が付いた人はいるだろうか?

「シュークリーム」も和製英語で、英語圏では"shoecream(靴のクリーム)"になると説明している部分が間違い。日本語の「シュークリーム」は和製英語なのではなく、もともとフランス語のchoux creme(シュ・クレム)が語源だから。見た目がキャベツ(フランス語でchoux)ということからフランスでchoux creme(シュ・クレム)と命名されたのであって、それがそのまま日本に来て「シュークリーム」と言われるようになった。英語のshoecreamが和製英語になっているのではありません!

フランス語のchoux(シュ)という発音を、英語の靴に当たるshoe(シュー)に近い発音にしてしまった日本人の失敗とは言えるけれど。英語でもフランス語風に「シュ・クレム」(レの発音は喉びこを鳴らすフランス語特有のあれ)と発音すれば、アメリカ人にも少なくとも"shoecream(靴のクリーム)"と誤解されることはない。「なにそれ?」と聞かれるかもしれないけれど。


* * *

アン・クレシーニさんが出演されている「和製英語クイズ」が第3弾まで続き(これからも続きそう)、和製英語を紹介する書籍が出版され、和製英語を研究する教授がいるくらいなのだから、和製英語は単なる「間違い」ではなく、じゅうぶん日本文化として確立されていると言っていい。クレシーニさんも、和製英語の「オープンカー」という言い方をアメリカに広めたいと言っているように、和製英語は正しい英語よりも的を射ていて「言い得て妙」なものもある。英語として通じない和製英語を恥ずかしがるのではなく、日本人が和製英語を次の「クールジャパン」として海外に紹介していっていいのかもしれない。


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