五輪フィギュアでNHKアナウンサーが放送禁止用語を連発?

ピョンチャン・オリンピックで、羽生結弦選手が金メダル、そして宇野昌磨選手が銀メダルに輝き、日本人として初めてのオリンピック2連覇達成と、二人同時表彰台に立つという快挙。オリンピックの花形競技での二人の活躍に、手に汗握って応援した人も多いのではないかと思います。

実況放送するNHKのアナウンサーや解説者の方々も、興奮して彼らのパフォーマンスを伝えていました。

フィギュアの技は英語が多いので、もちろんNHKアナウンサーも「トリプル・アクセル」や「キャメル・スピン」など英語を多用して解説されていました。しかしその中で一つだけ、そのまま英語を日本語読みにすると大変な意味になってしまう用語があります。

それは座った姿勢での回転を意味する「シット・スピン」です。英語で書くと"sit spin"ですが、日本語読みで発音すると"shit spin"になってしまいます。これは英語では「クソ・スピン」の意味です。日本語の「クソ」よりも"shit"は下品な言葉で、テレビでアナウンサーが使うことは絶対にありません。

固唾を飲みながら羽生選手や宇野選手の演技を見ている時に、NHKアナウンサーが「綺麗なシット・スピンです」と言っているのを聞くとドギマギしてしまいます。しかも規定で全ての選手が「シット・スピン」を入れないといけないようで、出場する選手がそのスピンをするたびに、NHKアナウンサーが「フライング・シット・スピンです」と毎回丁寧に解説を入れるのにはホトホト参ってしまいました。

頭ではshitとsitの違いがわかっていても、これをはっきり発音できる日本人は意外と少ないようです。とある大手都市銀行の行員の方と米国での会議に同席した時、"Please have a sit"(どうぞお座りください)と言いたいところを、"Please have a shit"(クソをお持ちください)とアメリカ人には聞こえる発音をされていたことがあります。立派な学歴をお持ちで優秀な方だったのですが、こんな初歩的な発音間違いをされていたのに、同席していた者として目を白黒させてしまいました。

また、アメリカの大学院に在籍していた時も、韓国人の同級生がクラスの中で発言していた際、"A sheet of paper"(1枚の紙)と言いたいところを、"A shit of paper"と聞こえる発音をしてしまい、教授を含めクラス全員が大爆笑をしたことがあります。「ア・シート・オブ・ペイパー」と「ア・シット・オブ・ペイパー」では大きな違いです。

英会話で大失敗をしないためには、日本語で使われる「シット」などにも敏感になっておく必要があると思います。筆者の場合、"sit"を日本語で発音するときは恥ずかしくて「シット」と言えないので、ちゃんと「スィット」と前歯で「スィ」と発音するようにしています。


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